迷宮金魚

□ 熱愛皇帝の甘い鎖 番外編 □

熱愛皇帝の甘い鎖 番外編(4)

 
 祭りの喧噪を後にして、城へと戻る。けれど、馬の上にいる間もオリアーナは落ち着かなかった。

「だ、だめですったら!」

 背後からオリアーナの身体を支えてくれているはずの彼の手が、不意打ちで悪戯をしかけてくる。

 お腹の周りに回されて、身体を固定していたはずが、脇腹を彼の指がくすぐる。身体を捻りそうになって、慌ててオリアーナは鞍にしがみついた。

 馬の上で暴れたら落ちてしまう――それなのに、彼の方は悪ふざけをやめようとしない。オリアーナが肩を揺らして、彼の与える感覚から逃れようとじばたばするのを楽しんでいるかのように、今度は指先が胸のあたりをかすめていく。

「エルヴィン様っ」

 ずきんとした感覚がそれだけで走り抜けて、オリアーナは肩を跳ね上げた。腰のあたりに甘ったるい感覚がたゆたい始めた気がする。

 この状況は、非常によろしくない。お腹の奥の方がじりじりし始める。

 頬が熱くなったのを隠すように、オリアーナはうつむいた。お腹に回された彼の手が、乳房の下をかすめていく。

「――ひゃあっ」

 不意に背後から耳朶に息を吹きかけられて、オリアーナは馬の上で飛び上がった。彼の顔を見ることはできないけれど、後ろから彼がくっくと笑う声が聞こえてくる。

「……ん、もうっ」

 彼から見えないことをいいことに、オリアーナが膨れた表情になると、エルヴィンはオリアーナの身体に回した腕に力を込めた。

「昨夜は、お前を抱いていないからな」

 彼とは毎晩同じ寝台で休んでいるけれど、昨日はオリアーナが早々に眠りに落ちていたから、彼の方もオリアーナを起こさないように静かに寝台に入ってきた。

 おかげで何もできなかったと言いたいらしい。そうしている間にも彼の手はオリアーナを支えながらも、悪戯をやめず、城に帰り着くまでの間オリアーナはずっと落ち着かないままだった。

「……エルヴィン様ったら、意地が悪い」

 城に帰り着くと、エルヴィンはさっそく側近に呼ばれて政務へと戻っていった。
 自室に戻り、忍んで街中に出かけるために用意してもらった服からいつものドレスに着替え、オリアーナは鏡を見つめる。

 いつもより頬が少し上気しているような気がする。目も潤んでいるように感じられてオリアーナは視線をそらした。

 今日は出かけるつもりで一日予定を開けてあったから、何もすることはない。侍女達にお茶の用意をしてもらって、大好きな物語の本を手に窓辺に座る。

「オリアーナ!」

 庭から呼び出されて、オリアーナは庭へと目をやった。エルヴィンが庭から手を振っている。

「今からそちらに行く」

 オリアーナが手を振り返すと、エルヴィンは大股にこちらに向かって歩いてくる。エルヴィンが来ると言うから、慌てて空になったお茶のカップを片付けてもらった。

「……何かあったのですか」
「いや――俺の我慢がきかなくなっただけだ」
「……んっ」

 そう言うなり、エルヴィンはオリアーナを抱きすくめた。耳朶に唇が寄せられて、そのままぱくりと咥えられる。

 オリアーナがじたばたとしたら、そのままひょいと持ち上げられた。窓辺に寄せて座っていた椅子から、ソファまでは彼の足で五歩。その距離をあっという間に詰めて、彼はソファに腰を下ろす。

「あっ……ふっ」

 膝の上に横抱きにしたオリアーナの耳から頬へ、そして首筋へと彼がk対ビルを滑らせてくる。オリアーナが身を捩ると、彼は下から胸の方へと手を滑らせてきた。

「……あっ……んぅ……」

 オリアーナは首を左右に振る。下から乳房を持ち上げるようにしながらエルヴィンはささやきかけた。

「――本当はまっすぐにこちらに来るつもりだったんだがな」
「お、お忙しい……か、ら……」

 オリアーナが首を横に振ると、さらに彼は乳房をゆったりと揺さ振ってくる。乳房を揺さ振られたら、そこから柔らかな快感が広がってきた。

 服の上から胸の頂を擦り上げられて、オリアーナは嬌声を噛み殺す。快感を逃そうとして、肩が揺れた。

「んっ……あ、あっ」

 いったん触れ始めたら止まらなかったようで、彼の手の動きもあっという間に大胆になってくる。ドレスの布地ごと頂を扱くようにされたら、身体の芯がきゅっと疼いた。

「あっ……あっ、あっ」

 胸の頂を捻られたら、ずきんとした愉悦が下腹部に落ちる。オリアーナの唇がわずかに開いた。

「んっ……もっと……」
「すっかり自分からねだるのがうまくなったな」

 早くも快感に流されかけたオリアーナの耳に、エルヴィンの満足そうな声が聞こえてくる。待ちきれなくて、肩を揺すった。

 彼の手が背中に回って、片手で器用にドレスのボタンを外していく。肩からドレスを滑り落としたら、白くて繊細なレースに縁取られた下着が露わになった。

 胸の頂は完全に硬くなっていて、薄い絹にくっきりと形を浮かびあがらせている。自分の淫らな姿を明るい光の下で見せつけられて、頭が焼けるような気がした。

 エルヴィンはそのまま下着も引き摺り下ろしてしまう。完全に剥き出しにされたら、彼の目の前でオリアーナの胸が柔らかく揺れた。

 迷うことなく、彼はそこに唇を寄せる。硬くなった胸の頂が、彼の唇の間に挟みこまれた。痛みを覚えない程度に軽く噛まれたら、指の先まで甘い痺れに支配された。

 下肢の奥が熱くなって、そこからどろりとした愉悦の証が滴り落ちる。オリアーナが喉をのけぞらして喘ぐと、彼はもう反対側の頂にも唇を寄せてきた。

「んっ……く、んぅ……ぁ、ぁっ」

 もっと強い快感がほしくて、オリアーナは彼の顔に自分の胸を押しつけた。小さく呻いた彼の舌が、畝の頂を吸い上げた口内でうごめく。

「あっ……ん、あぁんっ」

 もう、我慢することなんてできそうにない。彼の肩を掴む手に力がこもる。もっと先の快感がほしくて、オリアーナは甘ったれた声を上げた。

2017年7月1日発売
パーフェクト愛され人生確定…ですか? 転生したらメロ甘陛下のおさな妻(ジュエル文庫)
電子書籍 2016年5月25日配信開始 
征服王の激愛 ~人質姫は蜜夜に喘ぐ~(TLスイートノベル)

    熱愛皇帝の甘い鎖 番外編(3)      熱愛皇帝の甘い鎖 番外編(5) 
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Date:2016/09/14
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