迷宮金魚

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2017年2月1日発売
えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ(ジュエル文庫)
電子書籍 2016年5月25日配信開始 
征服王の激愛 ~人質姫は蜜夜に喘ぐ~(TLスイートノベル)

    えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ!  試し読み      えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ!試し読み(2) 
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□ えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ! 試し読み □

えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ! 試し読み(1)

 
プロローグ
 よく手入れのされた広い庭の木陰には、大きな敷物が敷かれていた。

「……まだ、眠くない」
「ラルフ、そんなこと言わないの。お姉ちゃんがご本を読んであげるからおとなしく聞いてなさい」

 寝たくないと文句を言う弟を強引に敷物の上に転がして、ヴィアナは両手を腰にあてた。ちぇっと舌打ちしながら、弟はもぞもぞと横になる。

「こら、アイナ、カイラの髪を引っ張らない! そこに、ころんってしなさい! お昼寝の時間でしょう。ショーン。お姉ちゃんのお膝においで」

 五歳の弟ラルフ、四歳の双子の妹、アイナとカイラ、二歳の弟ショーンの四人に昼寝をさせるのがヴィアナの仕事だ。

 ショーンは膝枕をしてあげて、それ以外の三人は敷物の上に横になるよううながす。今日はお日様がぽかぽかしていて、風も気持ちよくて、外でお昼寝をするには最高の日だ。

「昔々あるところに――」

 ヴィアナが取り出したのは、皆が大好きな童話だ。毎日、これを読み聞かせているから、ヴィアナは完全に内容を覚えてしまっている。

 物語の途中で眠りに落ちたショーンを、そっとラルフの隣に移動させた。

 ラルフの様子をうかがったら、まだ目をぱっちりと開けていて、期待のまなざしでこちらを見上げている。

 こほん、と咳払いを一つしてヴィアナは続きを読み始めた。

「妖精は王様に言いました――。『この冠を君にあげよう。この冠を持つ者は、真実の愛を得ることができるんだよ』」

 いつもより少し低めを意識しているヴィアナの声は、眠りを誘う効果があるらしい。

 アイナが眠りに落ち、カイラが続き、寝まいと頑張っていたラルフの瞼もついに閉じられた。

「こうして、王様はお妃様といつまでも幸せに暮らしたのです。めでたし、めでたし」

 最後までたどり着き、ぱたりと本を閉じて、ヴィアナは用心深く弟妹の寝顔を見下ろした。

「うん、ちゃんと寝てる――あら、いつの間にブライアスが来たのかしら」

 本に集中していたから、全然気がつかなかった。

 四つ並んだ金色の頭の向こう側に、一つだけ真っ黒な頭がある。隣家に住んでいるブライアスだ。きっと、今日の勉強が終わって遊びに来たのだろう。

「……ふぁ」

 ヴィアナの口からも大きなあくびが上がる。

 一時間たったら、四人の弟妹と――なぜか紛れ込んでいるブライアス――を起こさないといけないけれど、今日は朝早くから家の手伝いをしていたから、ヴィアナも少々お疲れ気味だ。

 眠ってはいけないと思っているのに、こくり、とヴィアナの首が揺れる。慌てて目を擦って眠気を追い払おうとすると、とんとんと肩を叩かれた。

「君も寝たらいいよ。一時間後に起こせばいいんだろう」
「バートさん」

 声をかけてくれたのは、隣家の使用人だった。ブライアスの世話係というような役目らしく、たいてい彼と一緒にいる。

 たぶん、二十代前半なのだろうなと思うけれど、正確なところはわからない。「おじさん」と呼ぶのは気の毒だから、「隣の家のお兄さん」だ。

 返事もできなくて、ふわぁともう一度あくびをしたら、バートはひょいとヴィアナを抱え上げてブライアスの隣に寝かせてくれた。

「……本当に、起こしてくれる?」
「もちろん」

 バートはにこにことしているけれど、横になってもまだ落ち着かない。

 なんで落ち着かないのかと思ったら、上掛けが四人分しかなかった。隣のブライアスは、ごろんと敷物の上に横になっているだけで何もかけていない。

 今日はいい天気で温かいけれど、何もかけなかったらお腹を冷やしてしまうかもしれない。

「やっぱり上掛け――」

 もう一枚上掛けを持ってこようと身を起こしかけると、ヴィアナとブライアスの上にバートの上着がかけられた。彼の上着は二人をすっぽりくるんでしまえるくらいに大きい。

「今日のところは、これで我慢して。これで十分温かいと思うよ――お休み」

 頭の上まですっぽりとかけられた上着の向こう側から、バートの声が聞こえてくる。

 ブライアスの側にくっついているのが落ち着かなくてちょっと距離をあけたら、背中が上着からはみ出てしまった。

(……お腹は隠れてるし……まあいいか)

 寝やすい体勢を探してもぞもぞすると、ブライアスが目をぱちりと開く。

「……寝てなかったの?」
「寝てない――背中出てるぞ。もうちょっとこっちに来い」

 ひそひそとささやきながら、ブライアスはヴィアナの身体をぎゅっと引き寄せた。ぴたりとくっつけられて、落ち着かなくてまたもぞもぞとする。

「動くとまたはみ出るぞ。じっとしてろ」
「何よぅ、お兄さんぶって」
「ヴィアナより、俺の方が年上だろ」

 ヴィアナは唇を尖らせた。たしかにブライアスは、ヴィアナより四歳年上だけれど、お兄さんぶられたらちょっと腹立たしい。

 それでも――正面から彼の顔を見ているのは落ち着かなくて、ヴィアナは目を閉じて眠りに落ちたふりをした。

 だってなんだかおかしいのだ。

 ブライアスとこうやってくっついていると、心臓のあたりがぎゅうっとなって、どきどきしてしまう。

 片方の手を、ヴィアナの手と指を搦めるように繋がれて、柑橘系の甘い香りが鼻をくすぐった。なんだかそわそわしてしまって、彼の顔を見上げたまま、しきりに瞬きを繰り返す。

 もう片方の手が背中に回されて、寝かしつけるようにゆっくりと叩いてくる。

 身体に回された腕はなんだかとても優しくて、搦めた指をぎゅっとしてから、ヴィアナはすとんと眠りに落ちた。

こちらは2017年2月1日発売【えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ!(ジュエル文庫)】の試し読みです。編集部の許可をいただいておりますが、途中までの公開となることをご了承ください。また、最終校正版ではないため、実際の書籍と多少異なるところもございます。

2017年2月1日発売
えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ(ジュエル文庫)
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Date:2017/02/01
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