迷宮金魚

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2017年2月1日発売
えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ(ジュエル文庫)
電子書籍 2016年5月25日配信開始 
征服王の激愛 ~人質姫は蜜夜に喘ぐ~(TLスイートノベル)

    えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ!試し読み(6)      えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ!試し読み(8) 
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□ えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ! 試し読み □

えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ!試し読み(7)

 
 それを言われてしまったら、ブライアスとしてもそれ以上は何も言えないらしい。しぶしぶヴィアナを連れて、隣の部屋へと移動する。
 
「……あの」

 隣の部屋は、ブライアスの休憩場所として使われているようだった。書類やら机やらがずらりと並んだ隣の部屋とは違って、こちらの部屋はとても狭い。

 おそらくベッドと机を置いたらいっぱいのヴィアナの部屋とたいした差はないのではないだろうか。

 その部屋に置かれていたのは、小さなテーブルと、それを挟んで向かい合う位置に二人がけのソファが二つ。それから壁際に花台が置かれていて、そこにいけられた花が部屋に彩りを添えている。

「お前は、しばらく休憩に行っていいぞ」
「言われなくてもそのつもりです。つもる話もあるでしょう」
「うるさい」

 真っ先にブライアスがソファに座り、バートがティーポットを取り上げても、ヴィアナは立ったままだった。

(……私はどうしたらいいのかしら)

「何やってるんだ、お前はここに座ればいい」
「でも、そこって」

 ブライアスがぽんぽんとソファを叩く。彼の隣の席はたしかに一人分空いてはいるけれど、そこにヴィアナが腰をかけてしまうのはなんだか違うと思う。

「お前は――お前が、ここに座らないでどうするんだ?」
「あの、殿下――」
「誰がそんな風に呼べと言った。ブライアスでいい」

 まったくわけがわからない。

 こういう時に、どう振る舞うべきかなんてこと、ヴィアナの今までの生活の中では一切出てこなかった。

 そもそも、王太子に目通りしているというこの状況がどこかおかしいのだ。半泣きになってバートの方に目をやれば、彼はふぅっとため息をついた。

「――いいですか、ブライアス様。いきなりそんな風に言われてもヴィアナも困るでしょう。いいから、ヴィアナ――隣に座って。君はブライアス様の友人だからね」

 友人、という言葉に少しほっとしたような気がした。友人、という立場であれば隣に座っていてもさほど――いやちょっと近すぎる気もするけれど、この場合これはしかたないだろう。

 ブライアスの邪魔にならないよう、ソファのできるだけ離れたところにちょこんと座る。

 バートがティーカップに紅茶を注ぐこぽこぽという音に、ずいぶん心が落ち着くような気がした。

「では、僕はこれで失礼しますね――ああ、ブライアス様。ヴィアナは来たばかりで緊張してるんだから、ほどほどでお願いしますよ」
「いいからさっさと行け」

 しっしとブライアスが手で追い払う仕草をして、一礼したバートは部屋を出て行ってしまった。

「……あの」

 口を開きかけて、こちらから話しかけるのは無礼ではないかということに思い当たる。

 慌てて口を閉じたら、ブライアスがヴィアナの皿の上にアップルパイを取り分けてくれた。

「十年ぶりなんだ、もう少し嬉しそうな顔はできないのか」
「……でも」

 思いきり反抗的な口調になってしまったことに気が付いて青ざめる。

(王太子殿下に……なんて口の利き方をしたのかしら)

 どうしたものかと口を開いたり閉じたりしていたら、今度はブライアスが助け船を出してくれた。

「かまわない。別にお前にあがめて欲しくて呼んだわけじゃないし」

(い、いいの……?)

 いいのかしらとは思ったけれど、ヴィアナに何ができるというわけでもない。けれど、方向性を示してもらったらちょっとだけ安心した。

「ほら、食え――チョコレートクッキーも好きだったろ」

 ヴィアナの緊張がとけたのを理解したのか、ブライアスはくつろいだ様子になった。

 それから、皿に山盛りに置かれていたクッキーを一つ取ると、目をぱちぱちさせているヴィアナの口元に押しつけてくる。

「食え」

 重ねて命令されて、ヴィアナは小さくクッキーに齧りついた。口の中でほろりと崩れたクッキーはバターがいい香りで、チョコレートの甘みもちょうどいい。

「……おいしい」
「だろ? ルーアン一の菓子屋から取り寄せた。それじゃ、こっちのオレンジのクッキーも食え」

 今度はチョコレート生地に細かく刻んだオレンジピールの入ったクッキーが押しつけられる。それもまた囓ったら、チョコの香りにオレンジの香りが重なって、口の中に幸せが広がった。

「……おいしい、です」

 立て続けに二つ、お菓子を口に入れたことで、ヴィアナの緊張ももう少しとけた。

 ちらりとブライアスを見れば、彼は最初にヴィアナの口に押し込んだのと同じチョコレートクッキーを口に放り込んだところだった。

「アップルパイは、うちの料理人に焼かせた。それもうまいぞ」
「う、うちの料理人って……」

 ブライアスの物言いに、思わず小さく笑ってしまった。

 うち、イコール王城なわけで、彼の言う「うちの料理人」とは「王城で働く国内でも指折りの腕を持つ料理人」ということだ。これでおいしくなかったらどうかしている。

「ああ、やっと笑ったな。さっきからびくびくしているから何かあったのかと思った」

 ずいっと彼がこちらの方へ身を乗り出して、ヴィアナはまた身動きできなくなった。

(ち、近いし……!)

 こんな近くで見つめるなんて反則だ。

 かつての美少年は、驚くほどの美青年に成長していた。

 切れ長の目、すっと通った鼻梁、形のよい顎に、少し薄めで形のよい唇。顔の全てのパーツがあるべき場所に収まっていて、動かなければ彫像と言われても信じてしまいそうだ。

 背も高く、よく鍛えているようで肩もがっちりしている。とはいえ、筋肉がつきすぎというほどでもなく――女の子の夢見る王子がそのまま服を着て現実の世界に出現したかのようだ。

(い、いや、王子様なんだけど……!)

 そこまで考えたところで、驚くほどすんなりヴィアナは自分に突っ込んだ。女の子の夢見る王子様というか、今目の前にいるのは現実の王子様だ。

こちらは2017年2月1日発売【えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ!(ジュエル文庫)】の試し読みです。編集部の許可をいただいておりますが、途中までの公開となることをご了承ください。また、最終校正版ではないため、実際の書籍と多少異なるところもございます。

2017年2月1日発売
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Date:2017/02/07
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