迷宮金魚

□ えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ! 試し読み □

えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ!試し読み(14)

 
(いつか、なんて……想像していたから、こんなことになるのよ)

 ブライアスとヴィアナが離ればなれになったのは、今から十年前のこと。

 初恋――と、当時のヴィアナがそれを認識していたわけではなかったけれど、今思えば確かに初恋だったのだと思う。

 もし、いつかキスするなら――というふわふわした想像の中の相手は、一緒に遊んだり昼寝をしたりおやつを食べたりした、隣の家に住む年上の少年で。

(……それなのに)

 幼なじみは、王子様になってしまった。

 王子様とヴィアナじゃ釣り合わない。

 初めてのキスは、ブライアスだった――彼の前で拭ってしまった唇に、そっと人差し指で触れてみる。

(本当は、嫌じゃなかった……嫌じゃなかったんじゃなくて、嬉しかった)

 だけど、今のヴィアナはそれを素直に喜べる立場ではない。

 もう一度、唇に指先で触れたとたん、ヴィアナはとんでもないことを思い出した。

(私ったら――仕事放棄してる!)

 ブライアスとの間に何があったのかはともかくとして、ヴィアナの仕事は彼の快適な睡眠を確保すること。それを放棄するだなんてありえない。

 ぐっと両目を拭って、深呼吸一つ。それで、気力を立て直す。

「……失礼、しました。違う本にしましょう」

 扉を開いたら、ちょうどブライアスもこちらの扉に手をかけたところだった。近くで見ると、背が高い分迫力がある。

「――ヴィアナ」
「お休みの時間です――殿下」

 名前で呼べと言われていたけれど、あえてそれはやめる。にっこりとして見上げれば、ブライアスがたじろいだように見えた。

「今のは、謝らないからな! 俺は――」

 そこからなんと続けたかったのか、彼の言葉はそこで途切れてしまった。

 それには気づかないふりをして、ヴィアナはもう一度にっこりとした。

「お休みのお時間です。今度は私じゃなくて、ブライアス様が眠くなる本にしますね。さあ、ベッドに行ってください」

 まだ何か言いたそうにしているブライアスをベッドに押し込んで、ヴィアナは幼い頃何度も読んだ絵本を取り上げた。

こちらは2017年2月1日発売【えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ!(ジュエル文庫)】の試し読みです。編集部の許可をいただいておりますが、途中までの公開となることをご了承ください。また、最終校正版ではないため、実際の書籍と多少異なるところもございます。

2017年7月1日発売
パーフェクト愛され人生確定…ですか? 転生したらメロ甘陛下のおさな妻(ジュエル文庫)
電子書籍 2016年5月25日配信開始 
征服王の激愛 ~人質姫は蜜夜に喘ぐ~(TLスイートノベル)

    えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ!試し読み(13)      えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ!(15) 
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Date:2017/02/14
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