迷宮金魚

□ 追放聖女はシンデレラ 俺様魔王に溺愛されて幸せです □

プロローグ

 
 明かりを落とし、薄暗くなった室内には、アマリエの甘い声とベッドのきしむ音が響いていた。

「や――あ、あぁっ! も、無理……」

 ベッドに手と膝をつき、腰を高く上げて背後から貫かれた姿勢。腰強くつかみ、激しい律動を繰り返しているヴァラデルは疲れた様子などまったく見せていないけれど、アマリエの方は限界だ。

「あ、朝、から……な、な、七回……も――!」

「七回じゃないぞ、八回だ」

「あぁぁっ!」

 ヴァラデルが精を放った回数を間違えたことを咎めるみたいに、ひときわ強く腰が打ち付けられる。その拍子に、奥を強く穿たれて、アマリエの背中がしなった。

 用事があると数日留守にしていたヴァラデルが戻ってきたのは、今朝早くのこと。

『魔王』として、多数の魔族を治めている彼は常に多忙だ、だが、城を離れてまで彼自身が対応しなければならない事態はそう起こるものではない。アマリエと彼が離れて過ごすのは珍しく、その分彼の欲求もいつもより膨れ上がっているみたいだ。

「だって……わ、私が足りないって……十分……でしょう……!」

 彼がアマリエを望んでくれるのなら、できる限りはこたえたいと思っているけれど、そろそろ体力の方も限界だ。

「何が十分なものか――お前だって、俺がいなくて寂しかったくせに」

 また、ずん、と奥を突き上げられる。とたん、絶頂に達してしまって、けたたましい声を上げた。

 本当に、彼の体力は底なしだ。

 魔族の世界を治める魔王。その中でも最大の力を誇る魔王ヴァラデル。

 そして、アマリエは――彼の花嫁。人でありながら、魔王に嫁いだ娘。

「あーっ、あっ、あぁぁんっ」

 細い腰を掴む彼の手に力がこもる。奥まで突き上いれられる度に募る淫欲。この快感さえあれば他には何もいらないとさえ思いそうになる。

 内壁ははしたなく蠢きながら、次から次へと蜜を滴らせ、その助けを借りて、灼熱の杭はますます滑らかに往復する。

 アマリエが首をうちふる度に、乱れた髪がシーツの上を踊り回った。

 もう、これ以上の快感には耐えられそうもない。

 泣くような声を上げ、アマリエは全身を激しく揺すりながらまた極みまで到達してしまう。

「はっ……あぁぁ……」

 けれど、快感の余韻に身を震わせながらも休む間は与えられない。続けざまに新たな快感に襲われて、頭の中が真っ白になった。

「あぁっ……待って、少し、休ませ――」

「待たない。俺は今、お前に猛烈に飢えているんだ」

 このままでは、どこか遠くまで押し流されてしまいそう。すがるものが欲しくて、シーツの上を手がさ迷う。

 見つけ出したのは、大きくて柔らかな枕。力のない腕でそれを引き寄せ、抱きしめようとしたら奥を抉るように突き上げられた。

「んぁぁっ!」

 とたん、部屋の空気を震わせる淫らな声。枕を抱きしめかけていたはずなのに、それは遠くへと放り投げられてしまう。

「俺以外に抱きつこうとは、いい度胸をしているな」

「やぁっ……違う……違う、からぁ……!」

 アマリエをさんざん喘がせているくせに、彼の方はまだまだ余裕たっぷりのようだ。

 先ほどまでがつがつと奥を抉るように突いていたくせに、急に動きを変えてきた。ゆったりと腰をぎりぎりまで引いたかと思うと、また根元まで深く沈めてくる。

 そうされるともどかしくなって、アマリエの方から腰を振ってしまう。あんなに何度も達したのに、まだ足りない。身体がどうにかなってしまったみたいだ。

「お願い――あ、あ、顔が、見たいの……!」

 背後から貫かれた姿勢は嫌だ。正面から彼と向き合いたい。

「あぁぁっ、そんなっ……!」

 体内に熱杭を埋め込まれたまま、ぐるりと身体を反転させられる。その拍子に、違う角度から蜜壁を擦り上げられて、また軽く達してしまった。

 ヴァラデルの体力は底なしだし、彼が望むなら何日だってこのまま交わっていられるだろう。アマリエの体力の方が先に尽きてしまいそうな気がするけれど。

 彼にすがりつきたいけれど、腕が重い。懸命に腕を持ち上げようとしたけれど、先に強い力で抱きしめられる。

「――俺の聖女。俺の花嫁」

 汗ばんだ額に口づけられて、アマリエの唇から吐息がこぼれた。

 体内の雄杭を打ち込まれたままではあるけれど、こうやって穏やかに口づけられれば、少しだけ余裕も生まれてくる。

 アマリエの方からも、彼の顎にキス。角度が悪くて、ここにしかキスできないのがなんとなく悔しい。

 たくましい身体に抱きすくめられれば、この部屋の外の出来事なんてどうでもよくなってくる。

「そうだな――後で調べてみるか。まずは、その前にお前を堪能してからだ」

「……待って、まだ……あんっ」

 もう少しだけ、息をつぐ余裕はあるかと思っていたのに、与えられないようだ。

 再び彼は思う存分、アマリエを貪り始める。

 魔王の腕に囚われて、聖女はこの上もなく幸せだった。

2019年1月25日発売
追放聖女はシンデレラ 俺様魔王に溺愛されて幸せです(ジュエルブックス)
電子書籍 2018年6月1日配信開始 
皇帝陛下は花嫁狩り ~いきなり私が皇妃様!?~(LUNA文庫)

    追放聖女はシンデレラ オレ様魔王に溺愛されて幸せです 試し読み      第一章 置き去りにされた聖女は魔王の城にとらわれて?(1) 
既刊一覧

電子書籍



*    *    *

Information

Date:2019/01/30
Trackback:0
Comment:0

Comment

コメントの投稿








 ブログ管理者以外には秘密にする

Trackback

TrackbackUrl:http://goldfishlabyrinth.blog.fc2.com/tb.php/253-baba214e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)