迷宮金魚

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2019年1月25日発売
追放聖女はシンデレラ 俺様魔王に溺愛されて幸せです(ジュエルブックス)
電子書籍 2018年6月1日配信開始 
皇帝陛下は花嫁狩り ~いきなり私が皇妃様!?~(LUNA文庫)

    第二章 魔王城の意外と平和な日々(1)      第二章 魔王城の意外と平和な日々(3) 
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□ 追放聖女はシンデレラ 俺様魔王に溺愛されて幸せです □

第二章 魔王城の意外と平和な日々(2)

 
 この城になじみつつあるように感じていたけれど、少しだけ寂しいと感じることもあった。

 アマリエがゆっくり歩いていくと、アマリエの姿を見た魔族達は、急に姿を隠してしまう。

(いえ、わかってるんだけど――ここに人間がいたら気持ち悪いわよね)

 彼らからしたら、属する国が違うとはいえ、魔族を退治し、魔王を撃退した勇者パーティーの一員だ。側に寄りたいと思えなくても仕方ないだろう。

(……だけど)

 何かしたいというのは、そんなにもわがままなことだったのだろうか。ヴァラデルの役に立ちたいと願ってはダメだった……?

 そんなことを考えながら廊下を歩いていたら、不意に目の前に一体の魔族がいるのに気がついた。床の上にぺたりと座り込んで、呻いている。

「――大丈夫ですか?」

 自分が彼らに疎まれているのも忘れて、アマリエはその魔族に近づいた。

「な、な、聖女――!」

 慌てた魔族は、アマリエの姿を見るなり、じりじりと後退しようとする。

 身体のどこかを悪くしているらしく、それも無駄な抵抗に終わってしまった。

「たしかに私は聖女です。だけど、あなたは私に害をなそうとはしてないでしょ? 具合が悪いなら、私に見せてください」

 アマリエの言葉に、魔族は驚いたように、二度目を瞬かせる。

 アマリエは相手の様子をじっくりと確認した。比較的、人間に近い姿の魔族だ。

 違いと言えば、頭に二本の角が生えていること。口からのぞく牙。そして、背中に生えた大きな黒い羽根。

 比較的年老いているのか、顔は皺だらけで眼鏡をかけている。

(……おじいちゃん、かしら?)

「ええと、おじいちゃん」

「誰がおじいちゃんだ!」

「ああ、そうなんですね。失礼しました」

 アマリエはにっこりとした。

 相手は怒っている様子ではあるけれど、アマリエに対して攻撃する意志を持っていないのは今のやりとりで判断できた。

 攻撃するつもりだったら、とっくの昔に消し炭になっていただろうから。

(この人も、けっこうな魔力を持っている――魔族の中でも高位。ヴァラデルさんの側近と言われても納得してしまいそう)

「では、どこが悪いのかを教えてください」

「に、人間にどこが悪いかなど教えたら、そこを狙われるではないか!」

 攻撃する意志はもっていないものの、人間に対して敵愾心を持っているようだ。

 それについてはしかたない――人間と魔族の共存というのは、アマリエが想像しているよりずっと難しいだろう。

「では、勝手に診察します! ティカ、この人が暴れないように手を押さえてて」

「かしこまりましたぁっ!」

「こら、ティカ! お前、裏切者!」

 相手が動けないのをいいことに、アマリエは手だけをティカに封じてもらっている間に、勝手に診察魔法を展開する。

 魔族の身体の作りはよくわからないけれど、彼は比較的人間に近いから、ある程度は推測できるだろう。

「腰、ですね」

「うううう、うるさい! そこでぐきっとなっただけだ! け、けして年寄りだからではないぞ!」

「はいはい、わかりました」

 どうやら彼は腰を痛めた――俗に言うぎっくり腰というやつだ――それならば、問題ない。

 アマリエはさらに手を動かす。痛んでいる腰を治すくらい、『聖女』にはたやすいことだ。

「ちょっと失礼しますね――治癒魔法[ヒール]」

 治癒魔法は回復魔法の中でも初歩中の初歩。アマリエの魔力を、ほとんど使うこともない。

 魔族の身体が一瞬輝いたかと思ったら、光は腰のあたりで収束する。

「なっ……なんだと……!」

 アマリエが治癒魔法をかけたことに、彼は驚いたみたいだった。眼鏡の向こう側から目を丸くしてアマリエを見ている。


2019年1月25日発売
追放聖女はシンデレラ 俺様魔王に溺愛されて幸せです(ジュエルブックス)
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Date:2019/02/08
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