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追放聖女はシンデレラ 俺様魔王に溺愛されて幸せです(ジュエルブックス)
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    第二章 魔王城の意外と平和な日々(3) 
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□ 追放聖女はシンデレラ 俺様魔王に溺愛されて幸せです □

第二章 魔王城の意外と平和な日々(4)

 
 聖女として旅をしていた頃も、町に泊まる機会があれば、こうやって患者達を診察してきた。

 アマリエは深くフードをかぶり、顔を見せないようにマスクもして診察に望んでいたけれど。

 素顔をさらさないようにしてきたのには理由があった。パーティーの他のメンバーと違い、アマリエの戦闘能力はたいしたことはない。

屈強な男が二人もいれば、アマリエを誘拐することなんて難しくない。

 そのため、人前に出る時には素顔をさらさないようにと言われてきた。魔王を倒した後も、アマリエの姿かたちが知られていれば悪用しようとする者はかならず出てくるだろうから。

魔王を倒した後、アマリエがのんびり生活するためにはそうするのが一番だと言い聞かされていたので文句もなかった。フードとマスクはうっとおしかったけれど、皆の心配りをありがたいと思ったほどである。

 今看ているのは、六本の足を持った巨大な蜘蛛の魔物だ。

「ふむぅ。足の外殻にヒビが入っているみたいですね。これはここで治しちゃいましょう! ちょっと足を引っ張りますよ? 一瞬痛いけど大丈夫ですか?」

 ひびの入っていない足を持ち上げて、魔物がそれを軽く振る。大丈夫ということだろうと解釈し、アマリエは足を引っ張った。そしてまっすぐにしてから治癒魔法をかける。

 魔王の城では、たくさんの魔物や魔族が働いているらしいけれど、今の今まで彼らと直接顔を合わせることはなかったから、新鮮だ。

 言葉を発することはできないにしても、アマリエの言いたいことはわかるみたいで、魔物も素直に治療を受けている。

(少しは、怖がられなくなるといいな)

 人に危害を加える魔物や魔族はともかくとして、少なくとも、この城にいる魔物や魔族達に対してアマリエは悪い印象は持っていない。

 なにしろヴァラデルが率先してアマリエを救ってくれたのだ。恩をあだで返すような真似なんて、できるはずもない。

「次の方――って魔王様!」

「……アマリエ、ここで何してるんだ? お前が診療所にいると聞いてびっくりしたぞ」

 ヴァラデルがやってきたのは、アマリエが診療所に入ってから数時間が過ぎた頃だった。慌てたティカが、割って入る。

「何って――お手伝い、です。何もしてないのって、落ち着かなくて」

「そんなことはしなくていい――まだ、完全に回復してないんだぞ!」

「……でも」

 大声を浴びせられ、黒い目でまっすぐに見つめられてアマリエはうろたえた。アマリエにできることはたいしてなくて、できる限りの恩返しをするつもりだったのに。

「魔王様、ティカも止めませんでした! アマリエ様を叱らないでください!」

 じわりと涙がにじむのに気づいたみたいに、必死にティカがアマリエの前に立ちふさがる。

「ティカ……いいの。私、その……余計なこと、を……」

 確かに魔族を怖いと思った。だけど、ヴァラデルに恩返しをしたいと思ったのも嘘じゃなかった。余計なことをしてしまった自分がいらだたしくて、ますます涙があふれてくる。

「そうじゃない。お前はもう少し自分を大事にしろ。普通は、治癒魔法を使えるだけでかなりの大事なんだぞ」

「そ……そうなんですか?」

 アマリエには、すごいことをしている実感がなかったので驚いた。

「ああ、それに、魔法を使うとお前の回復に時間がかかるぞ。それだけ魔力を使っているんだからな」

「それは、そうかもしれませんけれど……」

 だけど、アマリエがこの城に滞在し続けるのは問題だろうか。

 不意にそう思って、眉を下げた。


お試し読みはここまでになります。続きは、書籍版でお楽しみください。
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Date:2019/02/10
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