迷宮金魚

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2019年1月25日発売
追放聖女はシンデレラ 俺様魔王に溺愛されて幸せです(ジュエルブックス)
電子書籍 2018年6月1日配信開始 
皇帝陛下は花嫁狩り ~いきなり私が皇妃様!?~(LUNA文庫)

    第一章 身代り花嫁は後宮へ(4)      第一章 身代り花嫁は後宮へ(6) 
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□ いきなり後宮プリンセス!?溺甘殿下は蜜月計画中! □

第一章 身代り花嫁は後宮へ(5)

 
「そこで――だ。玉英の代わりにお前に入宮しろとのご命令だ」

「む、無理ですっ!」

 いくら胡家の娘であればいいと言っても、めちゃくちゃな話だ。

 だって、美女の誉れ高い玉英と平凡な梅英では比べ物にならない。そんな梅英の想いをくみ取ったように、父は話を続けた。

「お前を入宮させようというのは、玉英を望まれたという事実をなかったことにしてくださるという皇太子殿下の思いやりだ」

 胡家は、皇帝の命を救って以来、祖父、父と二代にわたって皇帝のすぐ側で忠義を尽くしてきた。とはいえ、縁談を嫌って逃げたという罪を問わずにいてくださるとは寛大な措置だ。胡家は、精いっぱいその恩義に報いなければならない。

「だから、このままお前が輿入れするのだ。よいな?」

「でも、お父様……わ、私に皇太子殿下のお妃様なんて……無理です」

 異母姉のように美貌や立ち居振る舞いで相手を圧倒することもできない。いたって平凡なのは自覚している。それに将軍家の娘とはいえ、母は商家の出身で妾という扱いだ。

 不安に駆られている梅英に、父はがっかりしたような目を向けた。

(ああ、また……)

 自分がしでかしたことに、梅英は青ざめた。床に視線を落とし、父の目から逃れようとする。

 幼い頃から、父が何度もこういった目をするのを見てきた。それは、梅英に失望したことを示すものだった。

 何をやっても異母姉には及ばない。

 いや、人並み以上にできるのは裁縫くらいだ。貴族の子女のたしなみとされる詩歌も音曲も、何ひとつ巧みにこなすことはできない。

 父の役に立ちたくて医学の基本を身に着けたけれど、それだって、一人前の医師として認められるほどのことでもない。あくまでも「貴族の娘としては詳しい」程度でしかなかった。

 この屋敷において梅英がのんびり暮らすことを許されていたのは、正妻と異母姉の心配りがあったからでしかない。

「お前に、断ることなどできると思っているのか?」

「ですが! 私が後宮に入ったところで、皇太子殿下の寵愛を得ることはできないでしょう。それは、お父様もよくご存じ――」

 梅英の言葉は、途中で途切れてしまった。

「そんなことくらいわかっている!」

 一度は思いなおした父が、今度こそ文机に拳を叩きつけたから、うつむいたままだった梅英は、思いきり飛び上がってしまった。

 衣の袖で顔を覆い、これ以上父の怒りを買わないようにするので精いっぱい。

「――まったく、お前は。本当に私を失望させる。よいか、これは、皇帝陛下と皇太子殿下のご意思だ。お前の気持ちなど関係ない」

「は、はい……でも……」

 玉英が、後宮に入る日が近づいてくるにつれて浮かない顔になってきた理由もわかるような気がした。

 男が何人もの妻を持つのは、男の甲斐性ともいわれている。父だって正妻の他に妾として母を屋敷に住まわせている。これでも貴族としては少ない方だ。

 これが皇帝の妃やその候補者となりうる宮女達の住まう後宮ともなれば、何百人、何千人という世界中から集まってきた美女が生活している。

 暁賢はまだ妻帯していないけれど、いずれ妃は増えるだろう。未来の皇帝に嫁ぐことを目標に自身を磨き上げてきた女性達と渡り合えるとも思えない。


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Date:2019/03/12
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