迷宮金魚

□ 王宮美術館で悪魔はささやく □

王宮美術館で悪魔はささやく 四話

 
 エリシュカは首を左右に振った。唇を噛んでみても、こぼれる喘ぎを押さえることはできなくて、快楽から逃れようと身を捩る。
 彼の指が、優しく胸の頂を擦り上げる。触れられている場所がじんじんとしてどうしようもない切なさを送り込んでくる。

「あっ……、んんっ、……あぁっ」
 いつの間にか身につけてた物は全て取り払われていた。エリシュカは、ソファの上で身体を震わせる。身体をしならせれば、豊かな乳房をシュテファンの方へ差し出すような形になった。

 音をたてて、乳首が舐め回される。舌先が触れる度に、身体の一点に熱が集中していくようで。脚の間から、どろりとしたものが流れ落ちる。
「シュテファン様……あっ……や、あぁっ!」
 脚の間がひどく疼いて痛いくらいだ。敏感になっている快楽の芽が硬度を増して、下腹部に熱を送り込んでくる。

 熱を逃がそうと腰をくねらせる動きが、相手を煽っていることなんて、エリシュカは気づいていなかった。
 粘着質な音がして、重なり合った花弁の間に彼の指が割り込んでくる。
「んっ……あっ……」
 異物感にエリシュカは眉を寄せる。ぐっと指が沈み込んだら、それに合わせて声が漏れた。
 ぐるりと中で指が回って、媚壁を探られる。敏感な場所を擦り上げられたら、あっけなく嬌声を上げてしまった。

「見つけた、エリシュカのいい場所」
 覆い被さるようにした彼が、笑いまじりの声でささやく。指が二本に増やされたかと思ったら、集中的にその場所を責められた。
「やっ……あぁっ! いやっ、んっ……あぁっ!」
 首を振りながら逃れようとしても、押さえつけられた身体は自由にならない。伸ばした足の先でつま先がぴんと反り返る。

 先ほど味わった感覚をまた味わわされてしまう。唇を噛む痛みでこらえようとしても、身体は言うことを聞いてくれなかった。
 ぬめる蜜をまとわりつかせながら、往復する指の動きが速くなる。指の動きに合わせて腰が踊るように動く。
 手のひらが秘芽を掠めて、中を探られるのとは違う鋭い快楽に、エリシュカの内腿が激しく震えた。

 このままでは、また達してしまう――おののく心とは裏腹に、快感を求めて身体が動く。
 淫らな水音が室内に響いて、エリシュカを追い上げていく。ひときわ高い声を上げてエリシュカは。
 二回も高みまで導かれて、エリシュカは涙目になった。こんなこと、少しも望んでいなかったのに。

 見上げれば、上になった彼が自分の衣類を緩めている。おののいて、身体をこわばらせたその時――不意に大きな音がして、空から光が地上へと落ちてきた。
「いやああっ!」
 雷が落ちたのはすぐ近くだった。エリシュカの口から悲鳴が上がると、シュテファンの手が優しく背中を上下する。もう片方の手はしっかりと腰に回されていた。エリシュカを逃がすまいとしているかのように。

「ここに雷は落ちないよ――大丈夫だから」
 強引に奪うのではなく、そっと唇が重ねられる。舌先で唇がなぞられ、口を開くよう促されているのだとエリシュカは悟った。恋人に対するキスのような甘さだったけれど、まだ自分から唇を開くなんてできない。
「ふっ……んぅ……」
 首を振って逃れようとすると、両頬を手で挟み込まれ、顔を固定されてしまう。そのまま両手が耳を覆った。

 周囲の音が、くぐもって聞こえにくくなる。雷の音も小さくなったけれど、その反面体内に響く音もあった。
「……ふっ……あっ……あん……」
 強引に舌が唇を割り開く。一気に奥へと進入を果たしたそれは、エリシュカの舌を捕らえるまで口内を荒らし回った。見つけだしたエリシュカの舌を、舌先で舐め、絡めて揺さぶったかと思えば、吸い上げる。わざと音を立てて口内をかき回されれば、塞がれた耳の奥で水音が淫らに響きわたった。

 逃れることなんてできない。いつの間にかエリシュカの両手は、シュテファンの背中に回されていた。
 むき出しになった肌と、彼の着ている服が擦れ合う感覚が気持ちいい。耳を塞いでいた手が、肌の上を這って胸へと至る。やわやわと胸を揉まれれば、柔らかな快感が身体中に広がっていく。

 きゅっと胸の頂を捻られ、また甘い声が上がった。彼の背中に回した手に力が入って、シャツを握りしめる。
「……可愛い。エリシュカ、もっと声を聞かせてよ」
「やぁっ……あんっ!」
 また雷が鳴る音が響く。エリシュカは首を振って、雷の音を耳に入れまいとした。喉に唇が落ち、舌がその場所を舐め上げる。強く吸い上げられて、その場所に赤く印がつけられた。

「ん、もっと……」
 いつの間にかはしたなくねだる声が上がっていた。背中をのけぞらせて、エリシュカはその先をねだる。彼の与えてくれる快感に酔っていれば、雷の音を耳に入れないですんだ。
「こっち? それとも……こうされる方がいい?」
「や、あ、わかんな……あ、あぁっ」
 右の頂を指でくすぐられ、左の頂は唇で挟まれ、震わされる。エリシュカは甘い声を上げて、彼の背中に回した腕に力をこめた。

 彼の右手がわき腹をなぞって、下肢の方へと延びていく。期待に身体を震わせながら、エリシュカは脚を開いた。
「ふっ……あぁっ……!」
 指が秘芽をくすぐる。花弁に隠された場所がそれだけでは物足りないと訴えてきて、エリシュカは身体を揺すった。したたり落ちる蜜を、指先がすくい上げる。

 それだけじゃ足りない、触れてほしいのはその場所のもっと奥の方。指を招き入れようと、エリシュカは腰をくねらせる。
「物足りないって顔をしているね。もう一回イッてみる?」
 表情から全てを知られている――羞恥心にエリシュカは睫を震わせた。それ以上にもっと深い快感をねだる気持ちの方が強くて。

「わ、私……」
 恥ずかしいと思っているのに、身体は言うことを聞いてくれない。花弁をくすぐる指先に淫核をすりつけるように腰を動かしてしまう。
「あっ……」
 指が離れていって、つい、物足りなそうな声を上げてしまった。頭の上の方でくすりとシュテファンが笑う。

「もう一回……だね。その次には」
 もう一度達したその先に何が待っているのか――それは十分わかっていたけれど、もう拒むことなんてできなかった。
2017年2月1日発売
えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ(ジュエル文庫)
電子書籍 2016年5月25日配信開始 
征服王の激愛 ~人質姫は蜜夜に喘ぐ~(TLスイートノベル)

    王宮美術館で悪魔はささやく 三話      王宮美術館で悪魔はささやく 五話 
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Date:2014/08/25
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