迷宮金魚

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2017年2月1日発売
えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ(ジュエル文庫)
電子書籍 2016年5月25日配信開始 
征服王の激愛 ~人質姫は蜜夜に喘ぐ~(TLスイートノベル)

    王宮美術館で悪魔はささやく 四話 
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□ 王宮美術館で悪魔はささやく □

王宮美術館で悪魔はささやく 五話

 
 何度も追い上げられて、もう逆らう気力もない。半端にはだけられた彼の衣服が肌に触れる感覚が、エリシュカの胸をざわつかせる。
  ぎゅっと目を閉じたら、瞼に柔らかく口づけられた。こんな状態に陥っているというのに、大切に扱われているような気さえしてきてしまう。

 腿の内側に熱いものが押しつけられる。あっと思うまもなく、それはエリシュカの濡れた花弁の間に割り込んできた。
「う……ん、あっ……い、痛いっ! いやいやいやっ!」
 慌てて両手を突っぱねて、シュテファンの身体を押しやろうとする。その手を掴まれて、シーツに押しつけられた。

 ばたばたともがく足がソファの座面を蹴りつける。唇を重ねられ、意識を奪い去る勢いで舌がねじ込まれ、口内を探られて、エリシュカは足をばたつかせるのをやめた。あらがっていた手が、力を失って落ちる。
「……エリシュカ」
 穏やかな声で名を呼ばれて、エリシュカはうっすらと目を開く。

「まだ入ってない」
 言われてみれば、たった今死ぬほどエリシュカを怯えさせた熱は消え失せていて、少しだけ身体を離したシュテファンが微苦笑を浮かべてこちらを見下ろしていた。
 気まずくなってエリシュカは視線をそらす。ここまで来たら、彼のことを拒もうとは思えなかったけれど、怖くないと言えば嘘になる。

「大丈夫、怖くないから……それに、あまり痛くない……と思う」
 なだめるように頬を撫でられ、それからシュテファンはもう一度入口に自身をあてがう。熱を帯びたそれにエリシュカが怯えて腰を引こうとすると、乳房をぎゅっと握られた。そちらに気を取られている隙に、少しだけ彼は前進する。
「んっ……あ、はっ……!」
 エリシュカは肩を震わせた。指先が胸の頂を弾き、その感覚に身体をひくつかせる。先ほどまで何度も追い上げられた身体は、与えられる刺激に嫌になるほど敏感に反応した。
 灼熱が、隘路を満たしてじりじりと奥の方へと進んでくる。

 ――嘘つき!
 心の中でエリシュカは叫んだ。
 何が痛くない、だ。痛い。ものすごく痛い。いっそこのまま失神できればいいと願ってしまうくらいに痛い。
 エリシュカが眉を寄せる度に、彼は頬に口づけ、胸に触れ。時には抱きしめるなど痛みから気をそらすような感覚を与えてくれる。けれど、それでも簡単に痛みを忘れることなんてできなかった。

「もう……いやあっ!」
「……やっと全部入った」
 最後にエリシュカが身体をしならせるのと同時に――ついに根本まで収めたことを告げられる。
「ごめん、しばらく我慢して」
「えっ……やっ、あぁっ!」
 ここまで来て我慢ができなくなったのか、彼がいきなり大きく動く。その場所が痛みを訴えかけてきたけれど、彼は容赦してくれなかった。

 動きに合わせてソファがぎしぎしと音を立てる。痛みをこらえて激しく首を振った時――不意に痛みとは違う感覚が芽生えるのを感じた。
「あっ…シュテファンさ、ま……!」
 何か彼がささやいたような気もするけれど、気にかけている余裕はなかった。芽生え始めた快感を追い、彼の背中に爪を立てる。
 指で教え込まれた快感をなぞるようにエリシュカの中が収縮する。達した瞬間、彼もまた奥で弾けたようだった。

 ぴたりと寄り添うようにして、二人は乱れた息を整える。
 汗ばんだ額に張り付いた髪をシュテファンが払いのけて、そこに唇を落としてくれた。柔らかく触れられた感触に、エリシュカはうっとりとして身をまかせかけ――いつの間にか雷は遠ざかっていたことに気が付いた。
 そそくさと立ち上がったシュテファンが、エリシュカが身なりを整えるのを手伝ってくれる。コルセットの紐を締め上げる彼の手が、やけに慣れているような気はしたけれど、そこを追求するのはやめておいた。

「あの、今日のことは……」
 過ちを犯してしまったのは事実。けれどそれをわざわざ触れて回る必要はないと思う。

「無駄だと思うけど……だって、君と俺が二人きりでここにいることは、ここの従業員は皆知っているし?」
「え……?」
 あまりのことにエリシュカは口をぽかんと開いてしまった。それから、その言葉が意味していることを悟って真っ青になる。

「で、では……あの、私、私は……」
 嵐の午後、誰もいない美術館で――二人きりで過ごしていたなんてことが従業員達の口から広まったら。エリシュカの行動は全く無駄だったということになる。
「だって、そうしないと君は逃げてしまうだろうし。子供の頃から、あれだけ好意を示してきたのにさ」
 好意? 好意を示された覚えなんていっさいない。嫌がらせなら散々受けた覚えがあるけれど。じっとりとした目でエリシュカが睨んでいるのに気がついたシュテファンはため息をついて見せた。

「あれだけ綺麗なものを見かける度に君に贈ってのに――たしかに、女性に喜ばれるような品ではないと今ならわかるけど」
 ――芸術家だから、他の人と感覚が違ったということなのかしら。
 たしかに他のカエルとは色の違うカエルとか。きらきらと輝く羽を持つ虫だとか。彼から手の中に落とされた品は、見方によっては綺麗といえなくもないけれど。
 でも――そう聞かされれば、エリシュカの方も素直にならざるをえなかった。なるべく彼に近寄らないようにしていたのは、彼に想いを寄せたくなかったから。
 
「ああ、君の実家には結婚の申し込みはすませてあるから。後は言わなくてもわかるよね?」
 けれど彼に対する感情が変化したのを実感したのもつかの間、あまりなシュテファンの言葉にエリシュカの口は再びぽかんと開いてしまう。シュテファンの側から申し込まれたなら、エリシュカの家から断ることなんてできるはずがないではないか。

「……ずいぶん、手回しがよろしいんですね?」
「そうしないと、君は逃げてしまうだろうから」
 皮肉をたっぷりと含ませた口調でいうのがやっとだったけれど、シュテファンは意に介した様子もなくエリシュカを自分の方へと引き寄せる。
「愛しているよ、エリシュカ」
 まだ素直になることはできなそうだけれど――その前に言っておかなければならないことがある。

「私、すごく可愛いものが好きなんです」
「知ってる。大丈夫、君の趣味は否定しないから」
 どこでエリシュカの少女趣味を知ったというのだろう。胸に顔を埋められて、エリシュカは観念した。
 どうあがいても彼にかないそうはない――意外に悪い気はしなかったけれど、それを認めるにはもう少し時間がかかりそうだった。

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最後かなり駆け足気味……ですが、試し読みがわりにどうぞ。

お気に召したら、最新刊「お忍び陛下の専属侍女」
もお手元に置いていただけたらなと思います。

ご意見、ご感想等お寄せいただけたら嬉しいです。
どうぞよろしくお願いします。

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2017年2月1日発売
えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ(ジュエル文庫)
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Date:2014/08/28
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