迷宮金魚

□ お忍び陛下の専属侍女番外編 □

お忍び陛下の甘い夜 3

 
 予想通りの感覚に襲われて、リーゼは唇を噛んだ。シーツとうつ伏せになっている彼女の胸の間に入り込んできた手は、遠慮という言葉を知らない勢いで乳房を鷲掴みにする。
 逃げたくても逃げられない。彼の指が頂を掠める。ごくわずかな刺激を与えられただけのはずなのに、その場所は簡単に硬度を増した。

「だめっ……ま、だ……あん!」
 口答えは許さないとばかりに、硬くなりかけた場所を摘ままれる。ぴくりと肩を揺らせば、彼が上体をかがめた気配がした。
 うなじに彼の息がかかる。思わず全身に力をこめると、そのままうなじに口づけられた。それだけで、腰の奥の方が熱を帯びてくる。
「何がだめなんだ?」
「です、から……ん、あっ」
 意地悪くささやいたギルベルトは、あとひと月という約束を守るつもりはないようだった。うなじから首、耳朶へと唇が移動して、くすぐったさの中に潜むわずかな快感にリーゼは身を捩る。

 正式に婚約が整ってから半年近くたっている。その間、彼との接触はあくまでも『婚約者同士』にふさわしいものに限定されていた。
 リーゼの部屋も彼の寝室のすぐ横にあった使用人用の部屋から、皇帝宮とは別棟である皇妃宮に移動になった。
 皇帝の婚約者ともなれば使用人の部屋を使うわけにもいかないのもわかる。けれど、部屋の前には護衛の兵が立っているから抜け出して会いに行くこともできなかった。
 侍女の任を解かれてからはこんな風に触れ合うこともなく――一度悦びを知ってしまっているからこそ――与えられる感覚に、リーゼは敏感に反応してしまう。

 こうやって触れられるのを身体の方も待ち望んでいたようで、最後に抱き合った時よりずいぶん敏感になっているみたいだ。
 耳朶に歯を立てられ、甘い感覚に身体がわななく。
「リーゼ?」
 そんな風に名前を呼ぶなんてずるい。そう言いたかったのに、抗議の言葉は吐息に紛れてリーゼの口から滑り落ちてしまった。

 その間にもギルベルトの手は、休むことなく動いていた。乳房をやわやわと揉んだかと思ったら、指先で頂をからかう。乳首の周囲を爪でくすぐられたら、腰がぐずぐずにとけてしまう。
「やぁっ……ん……う、んぅ……」
 彼に声を聞かれたくない。
 リーゼの手が枕を引き寄せ、そこに顔を埋めて声を殺そうとした。硬くなった胸の蕾を寝間着の上から同時に摘まれ、捻られ、軽く引っ張られる。

 一段高くなった喘ぎを顔に押しつけた枕に吸い取らせ、リーゼは内腿を震わせた。
「ギルベルトさ、ま……や、だめっ……」
 身体の方は彼の愛撫を受け入れているけれど、頭の方はついてこない。
「いつから、そんなに強情になったんだ?」
「……だって」
 からかうようなギルベルトの言葉が耳をくすぐる。それだけでまた、背中がぞくぞくしてしまう。

「まあいい。どうせお前は俺に逆らえないもんな」
 ささやくのと同時にギルベルトの手が脚の間に滑り込む。
「あっ……だめですっ……」
 慌てて足を閉じようとしても遅い。
 彼の手が触れたその場所はもう完全に潤っていて、指先でつつかれただけで鋭い感覚を送り込んできた。リーゼは喘いで、首を振る。

 自分が彼の与えてくれる快感にあっさりと負けつつあることが信じられなかった。頭の奥の方ではいけないと思っているのに、身体にこもる熱はリーゼの心を裏切って快楽を求めてしまう。
 ギルベルトはリーゼの腰を掴んで高い位置へと持ち上げた。上半身はシーツの上に投げ出されて、腰だけを突き上げるような体勢をとらされる
「ん――あぁぁっ!」
 リーゼの姿勢を変えておいて、ギルベルトはさらに指を滑らせる。敏感な芽をくすぐられ、リーゼは背中をしならせて喘いだ。顔に押しつけていた枕も意味をなさず、甘い声が寝室に響く。

「や……あっ……あん……」
 思っていたより声が響いたことに焦ったリーゼは、慌ててまた枕に顔を押しつける。自分の声が色を帯びていることに気がついて、ますます強く枕を押しつけた。
 寝間着の裾が捲られて、下着が彼の目の前にさらされる。ギルベルトの目がそこに注がれているのを感じて、リーゼの頬に血がのぼった。
「や、だめっ……だめですった……らぁっ……」

 抗議の声を上げるけれど、それはリーゼ自身が顔に押しつけた枕に吸い取られてしまい、ギルベルトの耳には届いていなかった。
「ふっ……んっ……あぁ……」
 ギルベルトの指が、下着の上を滑る。蜜が滲んだその場所は、滑らかに指の動きを受け入れた。
 心地よさに抵抗することを忘れたリーゼの腰が、わずかに揺れる。

 彼は、リーゼの無意識の行動を見逃したりしなかった。今まで花弁にそって往復していた指が、薄布ごと秘所に押し込まれる。じわりと蜜が滲んだ上を、からかうように指が這う。
「ひっ……ん、ぅ……」
 さまよっていた指が、布越しに敏感な芽を見つけだす。リーゼはますます強く枕に顔を埋める。ギルベルトの指に呼応するように腰がうごめいた。

2017年2月1日発売
えっちな王太子殿下に昼も夜も愛されすぎてます お嫁さんは「抱き枕」ではありませんっ(ジュエル文庫)
電子書籍 2016年5月25日配信開始 
征服王の激愛 ~人質姫は蜜夜に喘ぐ~(TLスイートノベル)

    お忍び陛下の甘い夜 2      お忍び陛下の甘い夜 4 
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Date:2014/09/18
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