迷宮金魚

□ お忍び陛下の専属侍女番外編 □

お忍び陛下の甘い夜 4

 
「ギルベルト……さ、まぁ……! んぅぅ……」
 零れてしまう声を枕に吸い取らせようにも、刺激される度に背中はそって、部屋中にはしたない喘ぎが響いてしまう。
 リーゼの弱いところを完全に知り尽くしている彼にとっては、リーゼを屈服させるのなどたやすいことだった。

 ベッドの頭の方へと這って逃げようとすると、腰を掴んで引き戻される。逃げようとした罰と言わんばかりにその場所を爪が引っ掻いた。
 薄布越しとはいえ、痛み半分の快感に全身が痺れたようになって、リーゼは身体を捩る。シーツに投げ出された上半身をひくつかせると、腰を高く掲げたまま、よりいっそう強く抱え込まれてしまった。

「い……や、あっ!」
 布の上から、快楽の源を擦り上げる彼の指が速度を増す。高く腰を突き上げたまま、下肢が痙攣する――一際強く擦られた瞬間、リーゼは一際高い声を上げた。
 頭の中が真っ白になって、激しい快感が身体を貫く。貪った愉悦に、全身をわななかせると、ようやく固定されたままだった腰が解放された。
 リーゼはシーツの上に崩れ落ち、力なく身体を投げ出した。

「だめって……言った……のに……」
 快楽の名残を含んだ声音は色づいていて、否定の言葉にも迫力はない。
 何を今さらと言われればそれまでなのもよくわかっているが、一応抵抗はしたのだということを主張しておきたい。誰に主張するのかはリーゼ自身にもわからないけれど。

 最初の夜もこうだった。下着の上から淫芽をなぞられて、与えられた快感にあっさりと屈服させられた。その裏にはもちろん互いへの好意があったわけだけれど。
「そうだな、我慢できなかった俺が悪い」
 あっさりとリーゼの不満を受け止めて、ギルベルトはリーゼの身体に手をかける。
 逃げ出す間もなく、シーツに胸を押しつける体勢から仰向けへとひっくり返されて、リーゼは目を閉じた。

「んっ……あ、ふ……」
 すかさず唇が奪われる。我が物顔に口内を蹂躙されても、抵抗する気なんてなかった。吸い上げられた舌が痺れるみたいだ。口内が敏感になっていて、舌を搦められるだけでぞくぞくする。
 身体の芯に再び熱がこもり始めた――このままでは、物足りない。

 のろのろとリーゼの手が上がって、ギルベルトのシャツにかかる。彼のキスに応えながら、手探りでボタンを一つ、二つと外していく。
 直接触れ合うことができないのが、もどかしい。腿をもぞもぞと擦り合わせながら、リーゼは息をついた。唇が離されて、うっすらと目を開けば、驚いたような顔をして彼がこちらを見下ろしている。

 そう言えば、命じられて着替えを手伝ったことはあっても、こうして自分から彼の服に手をかけたことはなかった。
 三つ目のボタンまでは外せたけれど、そこから先は届かない。諦めたリーゼの手が行き場をもとめてさ迷った末、シャツを掴む。

「続けろ」
 そう命じたギルベルトが、ボタンを外しやすいように身体の位置をずらす。そうしながら、彼の手が悪戯に動き始めた。
 ボタンを外そうとするリーゼの腕をかいくぐって、胸に手が伸ばされる。指先が乳房の根元をなぞり、くすぐったさと紙一重の柔らかな快感がリーゼを喘がせる。そんな風にからかわれたら、ボタンを外すことができない。

「や、やめっ……ん、んんんっ」
 抗議しようとすると、指が場所を変えた。指先が頂をかすめ、リーゼは肩を跳ね上げた。
「あと二つ残ってるぞ」
「だって、そんな風……や、あぁっ!」
 あと二つと平然と言われても、胸の頂に戯れをしかけられていては手を上手く動かせなかった。
 触れられる度に肩をぴくりとさせながら、ようやくボタンを外し終える。

 彼は肩からシャツを滑り落とし、そのまま下着も脱いで上半身を露わにする。よく鍛えられた身体は今まで何度も見たことがあるはずなのに、まだ見慣れない。
 ぎゅっと目を閉じれば、瞼に柔らかな感触が落とされる。
 寝間着のボタンが外されるのはあっという間だった。前を開かれれば、白い肌が彼の目の前にさらされる。

「見ちゃ……いや、です……」
「いい加減に慣れろ――いや、あまり開けっぴろげになられるよりはいいか」
 見られていると自覚すれば、身体の奥の方がちりちりと熱くなってくるような気がする。視線だけでも官能が刺激されるのだと教え込まれているようで。
 前を開かれた寝間着をかき合わせようとすると、その手をシーツへと押しつけられる。

 触れられていないのに、身体の奥が熱くなってくる。
「あっ……や、あぁっ」
 ギルベルトの唇が、右の乳房に落とされる。口づけられたのは、中心点からはだいぶ離れたところにその場所がきゅっとなるような感覚を覚えた。

「んぅ、ギルベルトさまぁ……」
 自分の声が非常に甘ったれているのがわかるから、リーゼは唇をかみしめようとする。
 柔らかな肌に口づけられ、舌の濡れた感触が肌を這い、腰のあたりがぐずぐずに蕩けるような感覚を覚える。リーゼは悩ましい吐息を零した。
2017年7月1日発売
パーフェクト愛され人生確定…ですか? 転生したらメロ甘陛下のおさな妻(ジュエル文庫)
電子書籍 2016年5月25日配信開始 
征服王の激愛 ~人質姫は蜜夜に喘ぐ~(TLスイートノベル)

    お忍び陛下の甘い夜 3      お忍び陛下の甘い夜 5 
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Date:2014/09/19
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